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【テクニカルSEOの基本】Google Search Console「HTTPSレポート」を徹底解説!サイト評価を向上させる方法

導入

テクニカルSEOとは、検索エンジンがウェブサイトを効率的にクロールし、正しくインデックス(登録)し、コンテンツの内容を正確に理解できるように、サイトの技術的な基盤を最適化する一連の施策を指します。サイト構造の改善、表示速度の向上、モバイルフレンドリー対応など多岐にわたりますが、その中でもサイト全体のHTTPS化(常時SSL化)は、ユーザーの安全と信頼を守り、検索エンジンからの評価を高めるための最も基本的かつ重要な要素です。

Googleは、HTTPSを検索順位の決定要因(ランキングシグナル)の一つとして利用することを公言しており、安全なサイトはユーザーだけでなく検索エンジンからも好まれます。しかし、サイト運営が長くなるほど、「一部のページがHTTPのまま残っている」「リダイレクト設定のミスでHTTPSページが正しくインデックスされない」といった技術的な問題が発生しがちです。

こうしたテクニカルSEOの課題を解決する強力な味方として、Google Search Consoleに「HTTPSレポート」が標準搭載されました。このレポートを活用すれば、自社サイトのHTTPS化に関する問題を網羅的に特定し、具体的な修正アクションに繋げることができます。

この記事では、テクニカルSEOの観点から「HTTPSレポート」に焦点を当て、その機能、具体的な使い方、そしてサイト改善に繋げるための実践的な提案例までを分かりやすく解説します。

HTTPSレポートで解決できるテクニカルSEOの課題

HTTPSレポートは、Googleがあなたのサイトをクロールした結果に基づき、どのページがHTTPSとしてインデックスされ、どのページに問題があるのかを明確に示してくれます。これにより、テクニカルSEO担当者が直面する「HTTPS化の状況が正確に把握できない」という悩みを解決します。

このレポートが提供する主な価値は、以下の3つのカテゴリーに分けられます。

  • 問題点の特定:
    • HTTPSではないURLの発見: Googleにインデックスされている非HTTPS(HTTP)URLをリストアップします。
    • インデックス阻害要因の分析: HTTPSページがなぜインデックスされなかったのか、具体的な技術的要因(例:canonicalタグの指定ミス、サイトマップ内の古いURL、リダイレクトエラーなど)を特定できます。
  • 改善の機会:
    • 修正作業の優先順位付け: どの問題が最も多くのページに影響を与えているかを可視化し、効率的なテクニカルSEO施策の計画を支援します。
    • クロール・インデックスの最適化: レポートで指摘された問題を修正することで、クロールの効率が上がり、インデックス登録が最適化され、検索パフォーマンス全体の向上に繋がります。
  • その他の役立つ情報:
    • 施策効果のモニタリング: 修正作業後、問題のあるURL数が減少していく様子をグラフで追跡でき、施策の効果測定が容易になります。
    • サイトの健全性の証明: レポート上の問題がゼロになれば、サイト全体が技術的に正しくHTTPS化されていることを確認でき、安心して次のSEO施策に進めます。

具体的な提案例:テクニカルSEOの観点から

HTTPSレポートで問題が発見された場合、以下のような具体的なアクションを実行することで、サイトの技術的な基盤を強化できます。

  • XMLサイトマップ内のHTTP URLをHTTPSに修正する

    期待できる効果(テクニカルSEO観点): XMLサイトマップは、検索エンジンにクロールしてほしい正規URLを伝えるための設計図です。ここを最新のHTTPSに統一することで、クロールの無駄をなくし、Googleにサイト構造を正確に伝え、インデックスを促進します。

  • HTTPページから対応するHTTPSページへの301リダイレクトを設定する

    期待できる効果(テクニカルSEO観点): 「301リダイレクト」は恒久的な移転を意味し、旧URLが持つ検索エンジンからの評価(被リンクなど)を新URLへ適切に引き継ぎます。これにより、HTTPS化に伴うSEO評価の損失を防ぎます。

  • canonicalタグで指定された正規URLをHTTPSに統一する

    期待できる効果(テクニカルSEO観点): canonicalタグは、重複コンテンツ問題を解決し、評価をどのURLに集約すべきか検索エンジンに伝える重要なシグナルです。この指定がHTTPのままだと、せっかくのHTTPSページが評価されません。HTTPSに統一することで、インデックス評価を正規ページに集約できます。

  • 内部リンクのURLをすべて絶対パスのHTTPSに書き換える

    期待できる効果(テクニカルSEO観点): サイト内の内部リンクがHTTPだと、アクセス毎にリダイレクトが発生し、ページの表示速度(Core Web Vitalsの指標にも影響)を低下させます。また、検索エンジンのクロールバジェット(サイト巡回に使うリソース)を無駄遣いさせてしまいます。直接HTTPSのURLにすることで、ユーザー体験とクロール効率の両方を改善します。

  • HSTS (HTTP Strict Transport Security) の導入を検討する

    期待できる効果(テクニカルSEO観点): HSTSは、ブラウザに「このサイトは常にHTTPSで接続する」と記憶させるセキュリティヘッダーです。これにより、リダイレクトを介さず直接HTTPSに接続されるため、表示速度が向上し、セキュリティも強化されるという、テクニカルSEOとユーザー体験の両面でメリットがあります。

HTTPSレポートの使い方

HTTPSレポートは、Google Search Consoleにログインすれば誰でも簡単に利用できます。

  1. Google Search Consoleにログインします。
  2. 左側のナビゲーションメニューから「エクスペリエンス」の項目を探します。
  3. 「HTTPS」をクリックすると、レポート画面が表示されます。

レポート画面では、サイト全体の「HTTPS URL」と「HTTPSではないURL」の数が時系列グラフで表示されます。グラフの下には、「サイトマップにHTTP URLが含まれています」や「HTTPS URLがありません」といった問題の具体的な理由がリストアップされています。

各問題をクリックすると、影響を受けているURLのサンプルを確認できます。問題の修正が完了したら、レポート画面の右上にある「検証を開始」ボタンをクリックし、Googleに修正を通知しましょう。これにより再クロールが促され、修正が正しく反映されたかを確認できます。

テクニカルSEOは、施策実行後の効果測定が不可欠です。定期的にこのレポートをチェックし、改善が進んでいるかを確認する習慣をつけましょう。

まとめ

この記事では、テクニカルSEOの重要な要素であるHTTPS化を支援する、Google Search Consoleの「HTTPSレポート」を解説しました。

  • テクニカルSEOは、検索エンジンにサイトを正しく評価してもらうための土台作りであり、HTTPS化はその第一歩です。
  • HTTPSレポートは、サイトのHTTPS化に関する技術的な問題を可視化し、具体的な改善策に繋げるための強力なツールです。
  • レポートで指摘されたサイトマップ、リダイレクト、canonicalなどの問題を一つひとつ着実に修正していくことが、サイトの技術的な健全性を高め、SEO評価の向上に繋がります。

ウェブサイト運営において、セキュリティと技術的な最適化は車の両輪です。ぜひこのHTTPSレポートを日々のテクニカルSEO業務に組み込み、ご自身のサイトをより安全で、検索エンジンに愛される存在へと成長させてください。

注意点

  • レポートで提供されるデータは、Googleがサイトをクロールした時点のものです。リアルタイムの情報ではないため、修正を加えてからレポートに反映されるまでには時間がかかる場合があります。
  • 提案された改善策が、すべてのウェブサイトやサーバー環境にそのまま当てはまるとは限りません。修正作業を行う際は、必ずご自身のサイトの状況に合わせて慎重に判断・実行してください。
  • HTTPSレポートは比較的新しい機能であり、今後も機能改善や仕様変更が行われる可能性があります。

最後に

Google Search Consoleをはじめとするウェブマスター向けツールは、日々進化を続けています。テクニカルSEOの世界では、こうした公式ツールのアップデートをいち早くキャッチし、自身のサイト改善に活かしていく姿勢が成功の鍵となります。

ぜひGoogle検索セントラルの公式ブログなどを定期的にチェックし、常に最新の情報を手に入れ、ウェブサイト運営に役立てていきましょう。

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